職場の課題と解決策、そして自身の役割の書き方
職場の課題と解決策、そして自身の役割 とは
昇進試験や主任試験などの論文で聞かれる典型的な議題だ。
論文のお題がこれそのものの場合は絶対に失敗できない。なぜなら、他の受験生は全員対策しているからだ。
逆にどんな議題の論文であっても大抵このストーリーで書くことができる。
そのため、必ず一度は練習すべき議題だ。
職場の課題、自部門の課題、部署の課題、職場の課題
組織の課題は、書こうとしている組織の規模(課や部、事業所など)で抽象度が違うが、書き方は規模によらない。
失敗しないストーリー構成は下記だ。
- 会社の状況
- この中での組織の役割、あるべき姿
- あるべき姿と現状のギャップ
- あるべき姿になるために組織がすべき課題
- 課題を解決するための自分の役割
このストーリーに乗っ取れば大きく外れない。ただし、やってはダメな例は、上記のストーリーに沿うことばかり考えて、結果流れがおかしいことだ。
自部門の課題のダメな例
例えば、生産部門のエンジニアになったつもりでダメな例を書いてみる。
サンプル
背景、我が社はシェアの高い製品を生産している。
あるべき姿,自部門の生産部門は高い品質の製品の生産を実現する必要がある。
ギャップ、しかしながら、自部門の品質が低い。これは事業部門が私たち生産部門へ不可能な要求をするため、生産部門の士気が低いからだ。
課題、そこで私は私自身の士気を高めるためには、いかに自己啓発を行うかが重要と考えた。
役割、以上を踏まえ、私は他人に頼るのではなく、自身の力で学習することに取り組むようにした。
上記ノ例がダメな理由を書いていく。
まず、背景はある程度、課題につながることを書くべきだ。しかし、上記文章は課題へのつながりが薄い。
あるべき姿は背景のシェアの話から唐突に品質の話に飛んでいる。背景でシェアの話をあえて書くなら品質とのつながりを深掘りすべき。
ギャップの文章について、あえてギャップがあることを抑える点と、理由に落とし込もうとする意志がある点は良い。課題の部分は、~の課題があると記載すると、題意の課題を記載せよに応えていることが明確になる。
ただし、この文章には致命的なミスがあるためダメである。ダメな理由は会社、もしくは自部門を悪く言うことである。
昇格していくにつれて問題点をたくさん扱っていくことになる。管理職はその中から優先順位をつけて、その問題を解決していく必要がある。その際、問題は組織が悪いからだ、と説明する人間はそもそも組織を良くする可能性のない人材のため管理職に必要ない。重要なのは、何が問題でそれを現状取り除けていない課題が何であるかを認識できるかどうかということだ。それがわかっている人材だとアピールすることが、論文ですべきことである。
課題設定の仕方
組織、部門の悪口が書けないなら、問題課題が書けないではないかというとそういうことはないので安心してほしい。悪口にならない範囲で課題を書けばよいからだ。
具体的には下記2つのどれかの理由を書けば外れない
A.優先順位、トレードオフ
B.フェーズの変化(周りの環境の変化)
2つと書いたが、正直どれも似た内容だ。つまり、会社が選択すべきことが現状から変わってきているため、その対応を私が行っているというストーリーで書けばよい。
例えば、優先順位を例にすると、
ギャップ、しかしながら、自部門の品質は他社に比べて飛びぬけて高いわけではない。なぜなら、わが社はスピードを最優先と考え、品質をお客様が満足する品質のラインを見極めて、そのラインを他社に比べて圧倒的に最速で達成してきたからである。それゆえ、わが社は他社を圧倒するシェアを獲得してきたが、他社も参入しつつある現状、いつまでも品質が他社と同等にいるわけにはいかない。
上記は、会社が優先順位をスピードとしてきたため、品質に課題があるという例である。
フェーズを例にとると、
ギャップ、しかしながら、自部門の品質は他社に比べて飛びぬけて高いわけではない。なぜなら、わが社はスピードがシェア獲得に必要と考え、他社に比べて圧倒的に最速で開発を行ってきた。ただし、圧倒的なシェアを獲得した現状において、後から参入してきている他社は品質で勝負してきている。そのため、わが社は他社との競争での優位性を維持するために、さらなる品質の向上が要求されるフェーズとなっている。
両方とも書いてあることは一緒で、外的要因で会社は変わることが求められてきている。その中で、自分の役割を書いていく必要があり、このストーリーの構成では自部門の悪口を言う必要はない。
以上が、職場の課題と解決策の書き方の考え方である。
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